戦時中大量の毒ガス兵器を製造していたことで有名な広島県・大久野島。
今回はその戦争遺構を求め、広島の忠海港からフェリーで島へ渡った。
大久野島はうさぎの島として有名。
大戦中、うさぎを毒ガス兵器製造の実験体として飼育していた名残か「うさぎ推し」の島である。
だが自分はうさぎを愛でる事が目的でない為、道に塞がる大量のうさぎたちをスルーして遺構へ向かう。
行く先々でとにかくうさぎが多すぎる。道理で道端はうさぎの糞だらけになっているし、餌をやたらねだってくる。
ここは、真のうさぎ好きの聖地といっていい場所かも。よくある、なんちゃって動物島ではなく正真正銘の動物島である。
窓ガラスはない。全面吹きさらしになっているが天気も良く、陽射しが遺構へ容赦なく突き刺さる。
この奥行きと絶妙な崩壊具合を静止して眺めていると、疲れた身体が少し癒される感じがする。
ここが元毒ガス島なんて微塵も感じさせない。外面も崩れた窓と良い感じに茂った木々が絶妙な美しさを織成す。
日本には小さな戦争遺構は数多く残っているが、ここは建築物としてとにかくスケールが大きい。
いつまでもこのままで・・・。
遺構としての価値を大いに感じる建築物。100年先もこの姿で佇んでいるんだろう。